フォトハウスの歴史-3-

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<講座の開講>3
 1986年にフォトハウスワークショップとしてゾーンシステム基礎編・実践編・応用編を開講し、オリジナルプリント制作プロセス、ポートフォリオ制作プロセスの講座を実施しました。当時、これらの一連の講座は、一般公開では、開講された最初の講座であったことでした。この講座カリキュラムになるまでには、大学のなかで、ギャラリーのなかで、実験されてきたことでした。具体的には日大の写真学科のなかで研究がすすめられていて、またギャラリーOWLでは1981年にワークショップがおこなわれたと記録されています。そういう前提があって、時代としてはオリジナルプリントという概念が定着しはじめた頃でした。むしろオリジナルプリント概念を定着させるためのワークショップがフォトハウスによって行われた、といえるのかも知れません。後、1987年にクリエイター・フォト3026の企画制作によるファインプリントの手引きにまとめられる内容のもの、1987年以降、京都造形芸術大学の公開カリキュラムとして実施される写真講座、川崎市民ミュージアムの開館にともなう暗室ワークショップの原点、などが成果としてあげられると考えています。

 1987年には、フォトハウスワークショップは、事情により京都静原を離れ、開講場所を変えます。ゾーンシステム講座は、宿泊なしの二日間、1987年9月13日と9月20日、学校法人芦屋芸術学院(芦屋市)の暗室設備をお借りして開講しています。募集要項をみると、受講料は2回で16000円、定員は12名、時間は午前九時から午後六時まで。講師には里博文さん、サポーターには鈴木俊宏さん、世話役は中川繁夫があたりました。1987年10月3日から4日、一泊宿泊でエンカウンターグループのワークショップを開講します。里博文さんがコーチでした。開講場所はYMCA六甲研修センター、経費は一泊二日食事つきで25000円でした。掲載の写真はこの時のものです。1987年11月には、京都大原において、鈴木さんの居宅を「フォトハウス技術研究室」と名称していただいて、ゾーンシステム講座の補講をおこなっています。

 当時の公開文章のなかから抜粋で、ここに少し転載します。
今後も開設講座の設定にあたっては、当面は基本部分での技術習得と基礎概念の体得を中心に据えていかなければならないだろうと考えています。このなかからダイナミックなムーブメントを作り出してしければよいと考えます。すでに構築されてしまっている既成のの枠組みを克服し、新しい枠組みへ脱却していくために必要な手段であろうと考えるのです。このことなしには、すでに積み上げられた形式(制度)の上で活動しても、すでに構築されたところの制約から解放されないのではないか、と想定されるからです。我々がどこまで裸眼でいられるか。我々が既成の枠組みから解放され、既成の枠組み内において確定している価値のうえに安住することなく、プリミティブな精神を得られるかどうかです。
(続く)

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